交通事故

2025/01/27 交通事故

むち打ちの後遺障害等級を取得する方法と注意点を弁護士が解説

交通事故によるむち打ち(頸椎捻挫、外傷性頚部症候群など)は、適切な治療を行っても症状が残ってしまうことがあります。この残ってしまった症状を「後遺症」といい、その程度によって「後遺障害」と認定されることがあります。後遺障害等級が認定されると、損害賠償額が大幅に増える可能性があるため、適切な手続きを行うことが非常に重要です。

 

この記事では、むち打ちによる後遺障害等級の認定を受けるための方法、注意すべきポイント、そして、弁護士がサポートできることについて専門家の視点から詳しく解説します。

後遺障害とは?むち打ちの場合の認定基準

「後遺障害」とは、交通事故による傷害が、治療を続けて改善が見込めず将来にわたってその症状が残ると判断された状態を指します。後遺障害は、その程度によって1級から14級に等級分けされており、等級によって損害賠償額(後遺障害慰謝料、逸失利益)が大きく変動します。

 

むち打ちの場合の後遺障害の認定基準

 

むち打ちの場合、後遺障害として認定される主な症状は以下の通りです。

 

神経症状: 首の痛み、肩や腕の痺れ、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなど

可動域制限: 首の動きが制限される

神経学的検査での異常所見: ジャクソンテスト、スパーリングテストなどの神経学的検査で異常が見られる

 

むち打ちの場合、後遺障害等級として認定される可能性が高いのは主に14級、まれに12級です。

それぞれの等級の認定基準は以下の通りです。

 

12級13号: 局部に頑固な神経症状を残すもの

具体的には、神経学的検査において異常所見が認められ、症状が医学的に説明できる場合。

MRIなどの画像検査で神経の圧迫や損傷が確認できる場合など。

 

14級9号: 局部に神経症状を残すもの

具体的には、神経症状はあるものの医学的に証明できる異常所見がない場合。

症状が、事故によるものだと医学的に説明できる場合。

 

注意すべき点は、むち打ちの場合、画像検査で異常が見つかりにくいため症状の客観的な証明が難しいということです。そのため後遺障害等級認定を受けるためには、医師による適切な診断と詳細な後遺障害診断書が必要不可欠となります。

 

後遺障害等級認定を受けるための手続き

後遺障害等級認定を受けるための手続きは以下の流れで進みます。

 

症状固定の診断: 治療を続けても症状の改善が見込めなくなった状態(症状固定)になったら、医師に症状固定の診断を受けてください。

後遺障害診断書の作成: 症状固定の診断後、医師に後遺障害診断書を作成してもらいます。この診断書は後遺障害等級認定の申請において、非常に重要な書類となります。

 

診断書には、症状、検査結果、医学的な所見、今後の見通しなどを詳細に記載してもらうようにしましょう。

 

特に自覚症状(痛み、痺れなど)は画像検査では確認できないため、医師に丁寧に伝え診断書に正確に記載してもらうことが大切です。

 

必要書類の準備: 後遺障害等級認定の申請に必要な書類を準備します。

主な書類は以下の通りです。

 

後遺障害診断書

交通事故証明書

診療報酬明細書

事故発生状況報告書

レントゲン、MRIなどの画像検査結果

印鑑証明書

その他、必要な資料(診断書、カルテなど)

 

損害保険料率算出機構(自賠責保険審査会)への申請: 準備した書類を損害保険料率算出機構(自賠責保険審査会)に提出し、後遺障害等級認定の申請を行います。

 

申請は、被害者自身で行うこともできますが弁護士に依頼することも可能です。

 

等級認定の結果通知: 申請後、審査が行われ後遺障害等級の認定結果が通知されます。

 

等級認定の結果に不服がある場合は異議申し立てをすることもできます。

 

むち打ちの後遺障害等級認定で注意すべきポイント

後遺障害等級の認定を受けるためには以下の点に注意する必要があります。

 

医師との連携を密にする: 後遺障害診断書は後遺障害等級認定において非常に重要な書類です。医師にあなたの症状を正確に伝え、後遺障害診断書に丁寧に記載してもらうようにしましょう。

 

継続的な通院を怠らない: 継続的な通院は症状の経過を記録する上で重要です。通院を怠ると、後遺障害等級認定の審査で不利になる可能性があります。

 

症状を具体的に記録する: 症状が現れた日時、症状の内容、日常生活への影響などを記録に残しておきましょう。これらの記録は後遺障害等級認定の審査において、重要な資料となります。

 

画像検査の結果を保管する: レントゲン、MRIなどの画像検査の結果は、後遺障害等級認定の申請時に提出する必要があります。検査結果を必ず保管しておきましょう。一般的にはCD-ROMに記録して提出します。

 

弁護士への相談を検討する: 後遺障害等級認定の申請手続きは、複雑で専門的な知識が必要になります。弁護士に依頼することで適切な申請手続きを行い、適切な等級認定を受けられる可能性が高まります。

 

弁護士がサポートできること

弁護士は後遺障害等級認定の手続きをサポートするだけでなく、以下の点でも被害者の方をサポートできます。

 

後遺障害等級認定の申請手続きの代行: 弁護士は複雑な後遺障害等級認定の申請手続きを代行します。

 

適切な後遺障害等級の獲得: 弁護士は法的知識を駆使し、適切な後遺障害等級の獲得を目指します。

 

保険会社との交渉: 弁護士は後遺障害等級が認定された後、保険会社との示談交渉を代行し、適切な損害賠償額を獲得します。

 

異議申し立てのサポート: 後遺障害等級認定の結果に不服がある場合、医療鑑定などを駆使し、異議申し立ての手続きをサポートします。

 

法律相談: 後遺障害等級認定に関する様々な疑問や不安について、法律相談に応じます。

 

まとめ:適切な等級認定のため弁護士にご相談ください

むち打ちの後遺障害等級認定は、複雑な手続きや専門的な知識が必要となるため、被害者の方だけで行うことは容易ではありません。適切な等級認定を受けるためには、弁護士に相談し、専門的なサポートを受けることを強くおすすめします。

 

弁護士は、後遺障害等級認定の手続きを代行するだけでなく、適切な損害賠償額の獲得、保険会社との交渉など、様々な面で被害者の方をサポートできます。

 

交通事故でむち打ちの症状でお悩みの方は、まずは弁護士にご相談ください。

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