2025/01/05 交通事故
後遺障害12級とは?等級認定の条件と賠償金の相場を詳しく解説
交通事故の被害に遭った後、後遺症が残ってしまった場合、その症状が”後遺障害”として認定されることがあります。その中でも後遺障害12級は比較的軽度とされるものの、日常生活や仕事に影響を及ぼすケースが多く、適切な賠償金を受け取るためにはその仕組みを正しく理解することが重要です。
本記事では、後遺障害12級の概要、認定基準、具体的な事例、そして賠償金の目安について詳しく解説します。
1. 後遺障害12級とは?
後遺障害12級は、交通事故後に残った後遺症が労働能力や日常生活に一定の支障をきたす場合に認定される等級です。後遺障害等級は1級から14級まであり、12級はその中でも比較的軽い症状とされていますが、具体的には以下のような状態が含まれます。
- 手や指の機能障害:小指を失った場合、指の関節の1つが動かない(機能全廃)場合や、複数の指が著しく動きにくくなった場合。
- 歯の欠損:7本以上の歯を失った場合。
- 足や膝の機能障害:膝の可動域が制限され、歩行に支障が生じる場合。
- 疼痛:局部に頑固な神経症状を残すもの
これらは一例であり、具体的な症状によって個別に審査されます。
2. 等級認定の条件とプロセス
後遺障害12級に認定されるためには、交通事故後の症状が次の条件を満たす必要があります。
(1) 医学的な証明が必要
症状が後遺障害に該当するかどうかは、医師の診断書や検査結果など、医学的な根拠に基づいて判断されます。
(2) 交通事故との因果関係の証明
後遺症が交通事故によって発生したものであることを示す必要があります。事故直後からの治療記録(診断書、診療報酬明細書、カルテ等)が重要です。
(3) 症状固定後の申請
後遺障害の申請は、治療を続けてもこれ以上の改善が見込めないと医師が判断した時点(症状固定)以降に申請します。
(4) 後遺障害診断書の提出
症状固定後、医師が作成した後遺障害診断書を元に、保険会社または損害保険料率算出機構(自賠責保険の等級審査機関)に申請します。
3. 後遺障害12級の具体例
ケース1:むち打ち症による脊椎の変形
交通事故で頚椎に衝撃を受け、その結果軽度の変形が残り、肩や首に慢性的な痛みが続く場合。
ケース3:手指の機能障害
交通事故により指の骨折や腱損傷が起こり、ひとさし指、中指、または薬指のうち1本が完全に動かなくなった場合。
ケース5:足首の可動域制限
交通事故で足首を骨折し、手術後も十分に可動域が戻らなかった場合。
ケース6:肋骨の変形による呼吸困難
事故の衝撃で複数の肋骨が骨折し、その後著しい変形が残った場合。
4. 後遺障害12級で受け取ることができる賠償金の目安
後遺障害12級に認定された場合に受け取れる賠償金には、以下のような項目が含まれます。
(1) 後遺障害慰謝料
自賠責保険基準では、後遺障害12級の慰謝料は224万円が目安です。ただし、弁護士基準(裁判基準)では290万円程度に増額する可能性があります。
(2) 逸失利益
後遺症により労働能力が低下したことで将来的に得られるはずだった収入(逸失利益)が減少する見込みがある場合、その補償が受けられます。
(3) その他の損害賠償
治療費、通院交通費、介護費用(必要に応じて)なども請求可能です。
5. 後遺障害12級の認定で注意すべきポイント
(1) 適切な証拠収集
後遺障害診断書の内容や治療記録の正確さが重要です。不足がある場合、適切な等級が認定されない可能性があります。
(2) 保険会社との交渉
保険会社は自賠責保険基準に基づいて低額な賠償を提示することが多いため、弁護士に相談し、適切な金額を請求することを検討しましょう。
(3) 早めの専門家への相談
後遺障害等級の認定には複雑な手続きが伴います。早期に交通事故に詳しい弁護士に相談することで、適切な賠償を受け取れる可能性が高まります。
6. まとめ
後遺障害12級に該当する後遺症は、見た目には軽度に見える場合でも、被害者の日常生活や収入に大きな影響を及ぼすことがあります。そのため、正しい知識を持ち、適切な等級認定を受けることが重要です。
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